クリスマスおめでとう!

「クリスマスおめでとう!」 2023/12/24

ルカの福音書1章26~38節

 クリスマスおめでとうございます。きょうの聖書箇所は、クリスマスの劇や絵画でおなじみの「マリヤの受胎告知」の場面です。「アヴェ・マリヤ」(「おめでとう、マリヤ」の意)という曲も、きょうの聖書の28節がモチーフとなっています。しかしこの「おめでとう、マリヤ」というのは 、「あなたはキリストの母として選ばれた聖母です。だからおめでとう。」という意味ではありません。マリヤは私たちと同じように、罪を持った普通の女性です。マリヤが選ばれたのは彼女が特別だからでも聖女だからでもなく、ただ一方的な神様の選び、神様の恵みです。30節に「マリヤ。あなたは神から恵みを受けたのです。」とある通り、マリヤはあくまでも恵みを「受ける側」であって、「与える側」ではありません。マリヤもわたしたちも、一方的に神様から恵みをいただき、救いをいただく側なのです。聖書の神様は「奪う神」「搾取する神」ではなく「与える神」「恵みの神」です。わたしたちが何かをささげたり、善行を積んだりしたことへの「見返り」として恵みを下さるのではなく、「ただ」で、プレゼントとして、恵みを下さるお方です。だから「おめでとう」なのです。

しかし本当は、わたしたちは恵みどころか神様から重い罰を受けなければならない者です。表向きは正しく装っていても、心の中には怒りやねたみが渦巻いています。造り主である神様から離れてしまったために、人は生まれつき罪びととなってしまいました。だから「神を愛し、隣人を愛しなさい」という神様の戒めを守ることが出来ず、どんなに気を付けていても罪を犯し、争いや戦争を起こしてしまいます。だから本当ならばどんなに努力しても天国に行けない。これが人間でした。

しかし、神様は恵みのお方です。その恵みゆえに、最高のプレゼントであるイエスキリストをわたしたちに下さいました。そしてわたしたちの代わりにイエス様を十字架で罰してくださいました。イエス様が「処女から」お生まれくださったおかげで、人間の身代わりとなることが出来たのでした。その結果、わたしたちへの罰は終わりました。このイエス様というプレゼントを喜んで受け取り、お互いに「クリスマスおめでとう!」と言い合いましょう。そしてマリヤのように、自分に与えられた使命をしっかり果たして参りましょう。

(永田 令 牧師)