月別アーカイブ: 5月 2023

善き力にわれ囲まれ

「善き力にわれ囲まれ」 2023/5/21 復活節第7主日礼拝メッセージ

ルカの福音書24章44~53節

 今日はキリスト教の暦では「昇天主日」です。イエスキリストが復活されて40日目に弟子たちの目の前で天に昇られたことを記念する日曜日です。イエス様は「突然消えた」のではなく、まるで船が出航するように、ゆっくり天に昇って行かれました。 それは「目に見える姿ではもうイエス様と会えないんだ。これからはわたしたちがイエス様のことを世に伝えて行かなければならないんだ。」ということを、弟子たちにはっきり自覚させるためでした。目に見える姿ではもうイエス様と会えない・・それは弟子たちにとって大変心細いことのはずです。しかし弟子たちは「非常な喜びを抱いてエルサレムに帰った」と52節に書かれています。なぜでしょうか? (さらに…)

天国の国民になるということ

「天国の国民になるということ」 2023/5/14 復活節第6主日礼拝メッセージ

ヨハネの福音書14章15~21節

本日の箇所は、最後の晩餐が佳境に入った場面です。ダヴィンチの絵が有名です。彼以前の画家は、ユダだけを他の弟子たちの反対側に描きましたが、ダヴィンチは、ユダと他の弟子たちを同じ側に座らせました。イエス様を裏切る点では皆同じ、ということです。ただユダ以外の11人は「それでもイエス様とともにいたい」と願っている人たちでした。この11人と、今この福音書を読んでいる読者に、イエス様は直接語りかけておられるのです。

ここでイエス様は、ご自分が弟子たち(読者を含む)から取り去られていくとおっしゃいます。しかしその後もイエス様との絆は変わることがなく、やがて来られる助け主、聖霊によって、その絆はより強くなることが語られます。つまり私たちは、現世にいるにもかかわらずイエス様と共におり、父なる神様と共にいる。すなわち、天の御国がこの地上にすでにあるということです。ルカ17:21でイエス様が「神の国はあなたがたのただ中にあるのです。」おっしゃっている通りです。

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さらに大きなわざを

「さらに大きなわざを」 2023/5/7 復活節第5主日礼拝メッセージ

ヨハネの福音書14章1~14節

 今日のヨハネ14章は、最後の晩餐の場面です。このとき弟子たちの心は騒いでいました。イエス様の身に、そして自分たちの身に災いが起こる予感がしていたのです。するとイエス様は「あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい」と言われました(1節)。わたしたち人間は、「信じます」と言いながら、次の瞬間にはもう心が騒いでしまう者です。しかしそんなわたしたちの代わりにイエス様が十字架にかかり、わたしたちの不安も、心の騒ぎも、全部背負ってくださいました。だから安心しなさい、とイエス様は言われるのです。

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羊たちは沈黙しない

「羊たちは沈黙しない」 2023/4/30 復活節第4主日礼拝メッセージ

ヨハネの福音書10章1~10節

聖書ではよく人間と神様の関係を、羊と羊飼いの関係にたとえています。有名な詩篇23篇では「主は私の羊飼い。私は、乏しいことがありません」(1節)とあります。イスラエルの民は、エジプトを脱出した後の荒野の旅で、これが事実であることを経験しました。神様は不思議な方法で水や食料を与えてくださり、彼らは何ひとつ「乏しいこと」がなかったのです。

今日の福音書でイエス様は「わたしは、良い牧者です。良い牧者は羊のためにいのちを捨てます」(11)と言われました。羊というのは特に武器を持っていないため、敵に襲われたら逃げるしかありません。また方向音痴なのでエサの場所がわかりません。だから羊飼いが必要です。羊飼いの声はちゃんと聞き分け、素直に従う性質があるそうです。「この人はわたしを大事にして、助けてくれる」という信頼があるからでしょう。

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