月別アーカイブ: 3月 2023

光の結ぶ実

「光の結ぶ実」 2023/3/19 四旬節第4主日礼拝メッセージ

ヨハネの福音書9章1~25節

今日の聖書はヨハネの福音書に出てくる7つの「しるし」のうちの6番目のしるしです。ヨハネが「奇跡」と書かずに「しるし」と書いたのは、これらの奇跡が「イエス様が神の子、救い主」であることの「しるし(証拠)」だからです。

きょうのしるしは、イエス様が「生まれつき目が見えなかった人の目を開いた」という出来事です。しかしこれはただ肉体の目が開いたという話ではなく、闇の中を歩いていた者が「イエス様は救い主である」ということに目が開かれていく姿を、今日の箇所は見せているのです。この人が「生まれつき」盲人だったように、人は「生まれつき」罪びとです。だから罪を犯すのであって、「罪を犯したから罪びとになる」のではありません。

(さらに…)

わたしを信じる者は死んでも生きる

2023/3/12 四旬節第3主日礼拝メッセージ

ヨハネの福音書11章1~45節

本日の箇所は、イエスさまがマルタとマリヤの姉妹の兄弟であるラザロという人をよみがえらせたところです。2節によると、このマリヤは主に香油を塗り、髪の毛でその足をぬぐったマリヤであると書かれています。その香油は三百デナリ相当で、労働者が一年間フルに働いた時の年収に当たります。それだけ高価な香油をイエスさまに使ったことは、マリヤの感謝がそれだけ大きかったことを表しています。なぜそれほどまでイエス様に感謝しているのでしょうか?

(さらに…)

夜は去りて

「夜は去りて」 2023/3/5

ヨハネの福音書3章1~17節

今日からしばらくヨハネの福音書を読みます。今日の箇所(3章)に登場するニコデモは、パリサイ人で国会議員。いわばエリート中のエリートです。しかし多くのパリサイ人がイエス様を異端者として見下げる中、ニコデモは真剣にイエス様の話を聞きに「夜」イエス様を訪ねました。「夜」というのは、「他のパリサイ人に知られたくなかった」というのもありますが、真理に対して目がふさがれていたニコデモの内面の「闇」を表す言葉でもあります。

(さらに…)

試みからの脱出

「試みからの脱出」 2023/2/26 四旬節第一主日礼拝メッセージ

マタイの福音書4章1~11節

今日から四旬節主日に入りました。灰の水曜日(今年は2/22)からイースター(同4/9)までの40日間(日曜を除く)が四旬節です。聖書で40という数字は「試練」や「苦しみ」を表します。今日の福音書は、イエス様が荒野で40日の断食の末、悪魔の誘惑を受けたという箇所です。神の子であるイエス様にとって、悪魔の誘惑など本来痛くもかゆくもないはずです。しかしすべての人間を苦しみから救うために、イエス様は「兄弟たちと同じようになる」必要がありました(ヘブル2:17)。だから今日の誘惑は、イエス様にとっても厳しいものだったのです。

悪魔はいかにも邪悪な姿ではなく、一見清い姿で近づいてきます。「悪魔の道具は神の言、信仰深さ、文化、宗教、奇跡である」とルターが言った通りです。 (さらに…)