「夜は去りて」 2023/3/5

ヨハネの福音書3章1～17節

今日からしばらくヨハネの福音書を読みます。今日の箇所（3章）に登場するニコデモは、パリサイ人で国会議員。いわばエリート中のエリートです。しかし多くのパリサイ人がイエス様を異端者として見下げる中、ニコデモは真剣にイエス様の話を聞きに「夜」イエス様を訪ねました。「夜」というのは、「他のパリサイ人に知られたくなかった」というのもありますが、真理に対して目がふさがれていたニコデモの内面の「闇」を表す言葉でもあります。

イエス様は開口一番ニコデモにおっしゃいました。「人は、新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません」（3節）。この「新しく」という言葉は「上から」とも訳せる言葉です。母親のおなかから生まれる「肉体の誕生」ではなく、神様の力によって（聖霊によって）新しく生まれなければ、誰も神の国（天国）を見ることは出来ないのです。しかしニコデモは「もう一度、母の胎に入って生まれることができましょうか。」（4節）と言いました。どんなエリートであっても、彼はまだ「夜」の中にいたのです。イエス様は「人は、水と御霊によって生まれなければ、神の国に入ることができません」（５節）と言われました。「水」というのは洗礼のことです。洗礼を受けると、その人に聖霊様がくだります。これが「水と御霊によって生まれる」ということです。聖霊様は風のように、思いのままに吹きます。その風を拒まずに、身を任せることが大切です。

さらにイエス様は、昔イスラエルの民が経験した出来事についてニコデモに語られました。荒野で神に逆らった多くの民が毒蛇にかまれた時、「旗竿の先に掲げた青銅の蛇を見上げた人は、死ななかった」という出来事です。この青銅の蛇は、十字架の上に掲げられたイエス・キリストを表しています。誰でもイエス様を「私のために十字架にかかってくださった救い主」と信じて仰ぎ見るなら、罪がゆるされ、永遠のいのちを持ちます。

その後、ニコデモもイエス様を信じたらしいことが、ヨハネの福音書から分かります。ニコデモの「夜」はついに去ったのでした。「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」

（永田令牧師）