新緑の輝き

「新緑の輝き」 2023/6/25 聖霊降臨後第4主日礼拝メッセージ

マタイの福音書10章24~39節

畑の緑も、山々の緑も、大変美しく輝いています。いま教会で飾られている布も緑色です。今は教会暦の「聖霊降臨後主日」にあたり、その期間の典礼色が緑色だからです。この緑には「成長」とか「希望」といった意味があります。ちょうど草木が成長するように、クリスチャンも成長すべき期間とされているからです。しかしこの緑には「忍耐」という意味もあります。草木が育つ陰で、土の下では根が忍耐強く踏ん張ってくれているからです。また畑の野菜が成長する陰で苦労している奉仕者の忍耐とも通じます。ローマ5章に「患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出す」と書かれてあるように、「希望」の背後には「忍耐」が必要なのです。

洗礼を受けた人は、「いのちにあって新しい歩みをする」者となります(ローマ6:4)。この「新しい」という言葉は、新緑のような新鮮さを指します。「洗礼」はイエス・キリストとの「結合」です。イエス様と結合するということは、イエス様が通られたような苦しみを、クリスチャンも通るということです。イエス様はパリサイ人から「ベルゼブル(悪霊)」と呼ばれました。ましてクリスチャンはもっとひどく言われることでしょう(25)。

しかしイエス様は今日の箇所で、「恐れるな」と三度も繰り返しておられます。恐れずに、むしろ声高らかに御言葉を宣べ伝えなさいとおっしゃっています(27)。なぜこんな厳しいことをおっしゃるのでしょうか?それはわたしたちに本気で叫ばせるためです。「イエス様、出来ません!助けてください!」と。その時わたしたちは、イエス様が十字架で死なれたのはまさにこんな弱いわたしのためだったということをあらためて知り、大きな喜びに包まれるのです。

十字架で死なれたイエス様は、3日目に復活されました。だからイエス様と結合しているクリスチャンも、苦難から立ち上がります。忍耐の中で根を張り、活き活きと新緑を輝かせることが出来ます。「(主に信頼する)人は、水のほとりに植わった木のように、流れのほとりに根を伸ばし、暑さが来ても暑さを知らず、葉は茂って、日照りの年にも心配なく、いつまでも実をみのらせる。」(エレミヤ17:8)

(永田 令牧師)