大逆転の日

「大逆転の日」 2021/11/14 聖霊降臨後第25主日礼拝メッセージ

マルコの福音書13章1~8節

今日と来週で教会暦の1年が終わり、28日のアドヴェントから新しい年が始まります。今日の福音書は世の終わりにイエス様が再び来られる「再臨」に関する箇所です。1年の初めのアドヴェントにも再臨の箇所を読みますので、教会暦は「再臨に始まり、再臨に終わる」と言うことができます。
イエス様の弟子たちがエルサレム神殿を見て「何とすばらしい建物でしょう」(1節)と言いました。ところがイエス様は「この建物がバラバラに壊される日が来る」、と言われたのです。弟子たちは驚いて「いつそういうことが起こるのでしょう」(4節)と尋ねました。わたしたち人間は「いつ」とか「どんな時」ということを非常に気にします。今のコロナ禍も「いつ終息するのか?」がとても気になります。しかし「それは神様が権威をもってお定めになっている」と聖書は語ります。イエス様の再臨もいつ起こるのか私たちにはわかりません。ただ神様に信頼して、その日その時を待ちましょう。

その時には「自分がキリストだ」と名乗る人々が現れたり、戦争や内紛や地震や飢饉が起こるとイエス様は言われました。これらは今まさに起こっていることです。神殿の崩壊自体は西暦70年に既に起こりました。イエス様は神殿崩壊の予告と重ねて「世界の終わり」について語られたのです。聖書の言葉は、ただ直接書いてあることだけでなく、「イエスキリスト」を中心にして読む必要があります。終末のことも、確かに戦争や災害も起こりますが、一番のポイントは「イエス・キリストが再び来られる」ということです。だから罪を悔い改めて、イエス様が自分の罪を背負って十字架にかかられたことを信じて主に感謝することです。その時、イエス様の再臨は、恐怖ではなく喜びの日に大逆転します。

神殿はいけにえを捧げる場所でした。その神殿が崩壊したということは、もはや人が天国に入るためにいけにえをささげたり、良い行いをしたりする必要はなくなった、ということです。イエス様の十字架によって天国の道が開かれ、滅びが救いに変えられました。この「大逆転」を共に喜び、この喜びを周囲の人々にもプレゼントしましょう。そうしながらイエス様の 来臨を楽しみに待つ、そんな教会でありたいと心から願っています。

(永田 令 牧師)