降りて来なさい

降りて来なさい」 2019/11/3

出エジプト34:4~9
ルカ19:1~10

取税人のかしらザアカイは、人々から多めに税金を集め、私腹を肥やしていました。当時の取税人は皆、そうしていました。それで彼らは金持ちでしたが、人々から嫌われ、「罪人」呼ばわりされていました。
そんなある日、ザアカイの住むエリコの町にイエスキリストがやって来ました。この頃すでにイエス様の名前は広く知られていました。ザアカイは「イエスがどんな方か見ようとした」と書かれています。これは「救いを求めて」というよりもただ単に「有名人を見たかった」からだと思います。しかしそんな好奇心も神様から与えられたものであり、その好奇心から彼の人生は変わっていきます。
背が低く群衆にさえぎられたザアカイは、そこに生えていたいちじく桑の木に登りました。7メートル以上もある木でしたが、彼は登りました。これも好奇心のなせるわざでしょう。ところが木の上のザアカイに、なんとイエス様の方から語りかけたのです。「ザアカイ。急いで降りて来なさい。きょうは、あなたの家に泊まることにしてあるから」(ルカ19:5)。神の子イエス様は、はるか昔、ザアカイが生まれる前からザアカイのことを知っておられました。「ザアカイ(清い人)」という名前から程遠い人生を歩んできたことも。
イエス様はあなたのこともすべてご存じです。その上であなたにも語られます。「降りて来なさい」。その意味は「自分で何もかも背負わないで、わたしに任せなさい」ということです。自分の力では神様のみ心を行えないわたしたちのために、神の子イエス様は人間の世界に「降りて来て」くださり、わたしたちの代わりに十字架で死んでよみがえられました。わたしたちも「自分」という高い木から降りて、イエス様にすべてをお任せする時、新しい人に生まれ変わります。 ザアカイは木から降りてイエス様によって新しくされ、その名前どおりの「清い人」になりました。わたしたちももう一度イエス様と出会った原点に帰り、木の上から降りましょう。その時、あなたに新しいことが起こります。

(永田 令 牧師)