「究極のメニュー」 2019/7/28

ルカ10：38～42

今日の福音書には、有名なマルタとマリヤという姉妹が登場します。姉のマルタは「いろいろともてなしのために気が落ち着かず」（ルカ10：40）と書かれてある通り、頭をフル回転させて万全のおもてなしをしたい人でした。イエス様をお迎えした時もそうでした。
一方、妹のマリヤは「主の足もとにすわって、みことばに聞き入っていた。」（10：39）。これに姉のマルタは腹を立て、マリヤをたしなめるようイエス様に訴えます。しかしイエス様は言われました。「マリヤは良い方を選んだ」。
この箇所から3つのことを学びたいと思います。
第一は「本当の奉仕とは何か？」ということです。本当の奉仕、それは、自分の満足のためではなく、相手が喜ぶことをすることです。今日の場合、イエス様が喜ばれることをすべきでした。それは、マリヤのように「主のみことばを聴くこと」でした。
第二に、なぜイエス様はマリヤの方を喜ばれたのでしょうか？マリヤが「座って」みことばに聞き入っていたからです。座ってしまったら自分からは何も出来ず、ただ恵みを受けとることしか出来ません。それが良いのです。わたしたちの本質は、マルタのように「自分で出来る。助けはいらない。」と思ってしまう者です。しかし実際はわたしたちは何もできず、かえって人を悲しませたり、イエス様を悲しませたりしてしまう者です。そんなわたしたちのために、イエス様は十字架で命を「与えて」くださいました。この福音
第三に、では聖書は「マルタを見習わずに、マリアのように生きなさい」と教えているのでしょうか？そうではありません。今日の箇所は「善きサマリヤ人のたとえ」の直後に出てきます。「あなたも行って行動しなさい（実を結びなさい）」とイエス様は言われました。イエス様とつながっているならば、実を結ぶことが出来ます。だから「マリヤのようにイエス様の恵みを十分いただいたら、マルタのように自分の賜物を生かして大いに活躍しなさい」と聖書は教えているのです。それこそイエス様と人々を喜ばせる「究極のメニュー」です。

（永田 令牧師）