長く白い衣をまとって

「長く白い衣をまとって」 2024/3/31

マルコの福音書16章1~8節

 イースターおめでとうございます。人がクリスチャンになる前と後で一番違うことは何でしょうか?それは「死ぬのが怖くなくなった」ということではないでしょうか?このことは年齢に関わらず、生涯を通じて心に大きな安心を与えます。その安心の根拠が「イエス・キリストの復活」という出来事です。

イエス様が金曜日に十字架で死なれた後の日曜日の早朝、女の弟子たちがイエス様の遺体に香料を塗ろうと墓に向かいました。すると墓の入り口の石が転がしてあり、長く白い衣をまとった青年が座っていたのです。この青年は天使でした。そして彼女たちに「驚いてはいけません。あなたがたは、十字架につけられたナザレ人イエスを捜しているのでしょう。あの方はよみがえられました。ここにはおられません」(6)と、イエス様の復活を宣言します。

なぜマルコは「天使」と書かずに「青年」と書いたのでしょうか?それは「これからイエス・キリストの復活を世に知らせていくのは、天使ではなく、あなたたち人間ですよ」ということです。今も死を恐れている多くの人々に「もう死を恐れる必要はありません。イエス様はよみがえられました。あなたもイエス様を信じれば、天国でよみがえります」と宣言する役目は、天使ではなくクリスチャン一人一人に与えられたのです。

「もう死を恐れる必要がない」…それは言い換えれば、「もう罪の罰を受ける必要がない」ということです。イエス様はわたしたちの罪を背負って十字架で処刑され、よみがえられたのですから、イエス様を信じる人も、死んだあと罰を受ける必要がなく、天国で永遠に生きることが出来るのです。イエス様の死と復活のおかげで、人間を覆っていた「死の布」は破り捨てられました。そのことを信じ、感謝をもって生きる人は、周囲の人たちとの間に平和を実現することが出来ます。「神はイエス・キリストによって、平和を宣べ伝え…ました」(使徒10:36)。わたしたちもイエス様の復活と、天からの平和を人々に宣言しましょう。墓の前の、長く白い衣をまとった青年のように。

「武器なんか捨てて 川岸へ降りてゆこう
     長く白い衣をまとって 川岸へ降りてゆこう…」
 (黒人霊歌「ダウン・バイ・ザ・リバーサイド」より)
(永田 令 牧師)