似ている!

「似ている!」 2023/7/23

マタイの福音書13章24~30、36~43節

  きょうも畑や農作物に関するたとえ話です。きょうの話には「敵キャラ」が登場します。麦を蒔いた人の畑に「敵」がやって来て、知らないうちに「毒麦」を蒔いて行ったのです。毒麦は麦とよく似ていますが、食べると害をもたらす代物です。こういう犯罪が中東では実際によくあったそうです。

この敵とは「悪魔」のことであると、イエス様は39節でおっしゃっています。悪魔はもともと神に仕える「御使い」だったと考えられています。つまり、ほんとうの悪魔はいかにも「悪そうな」姿ではなく、一見神様に「似ている」のです。ちょうど毒麦が麦と似ているように。

ではその悪魔が蒔いた「毒麦」とは誰のことでしょうか?38節によるとそれは「悪い者の子どもたち」、つまり悪魔の子どもたちです。そして彼らは「つまずきを与える者や不法を行う者」だと41節に書いてあります。しかしわたしたちはみんな、人につまずきを与えたり、神様の戒めに背いて不法を行ったりしているのではないでしょうか?そうです。誰が「麦」で、誰が「毒麦」かは、最初から決まっているのではありません。全ての人が「毒麦」であり、「悪い者の子どもたち」なのです。12弟子のペテロもイスカリオテのユダも、イエス様から「悪魔」と呼ばれたことがありました。ただ2人の違いは、ユダはイエス様から離れ、ペテロは離れなかったことです。イエス様はすべての人の罪を背負って十字架で死なれ、身代わりの罰を受けてくださいました。だから、誰でも自分の罪を認め、イエス様の十字架が「わたしのためだった。イエス様はわたしの代わりに地獄の火で焼かれてくださった」ということを信じるなら、その人は、たとえ毒麦であっても良い麦に変えられます。

良い麦が毒麦に似ているように、イエス様を信じた後も、その人は本質的に罪びとであり、ある意味「悪魔」に似ています。しかし、その人は神様から義の衣を着せられており、もはや「神様の子ども」とされています。だから安心して神様に「パパ」と呼びかけて良いのです。イエス様がそうされたように。今やわたしたちは、悪魔よりもイエス様に似ています。だからこれからも大胆に「パパ!」と祈りながら、一人でも多くの人に天国の喜びを伝えて参りましょう。

(永田 令牧師)