教会が生まれた日

「教会が生まれた日」 2022/6/5 聖霊降臨祭礼拝メッセージ

使徒2章1~21節

本日の箇所は、イエスさまが天に昇られたのち、地上に残された弟子たちに聖霊がくだったところです。それは「五旬節(ペンテコステ)」の日に起こりました。その50日前の「過ぎ越しの祭り」の時にイエスさまは十字架にかけられ、復活されました。弟子たちはこの五十日の間に復活したイエスさまとお会いしています。そのことによってイエスさまが救い主キリストであることは確たる事実となりました。イエスさまが世に現れたことを宣べ伝える使命も弟子たちに託されました。

かつてイエスさまは弟子たちに言われました。「父の約束を待ちなさい。ヨハネは水でバプテスマを授けたが、もう間もなく、あなたがたは聖霊のバプテスマを受けるからです。」バプテスマとは新しく生まれ変わる儀式です。このイエスさまの約束が五旬節の日に実現し、聖霊が来られました。「突然、天から、激しい風が吹いてくるような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡った。また、炎のような分かれた舌が現れて、ひとりひとりの上にとどまった」(2-3節)。すると彼らは習ってもいない他国の言葉を話し出したのです。昔外国に移住し、その後ユダヤに帰って来たユダヤ人たちは大変驚きました。自分たちの言語で弟子たちが神の大きな御業を語るのを聞いたからです。しかし一部には、「彼らは甘いぶどう酒に酔っているのだ」とあざける者たちもいました。それを聞いたペテロは人々に説明しました。「これは神さまが遠い昔から預言者を通じて預言されていたことが実現したものです。つまり男にも女にも、若者にも老人にも、みなに聖霊が与えられる、その日が今日来たのです。だから私たちは聖霊が語らせてくださるように預言をしているのです」と。旧約時代のように特別な預言者だけではなく、罪を悔い改めて神さまを心から受け入れる者にはだれでも聖霊を降すという預言がこの日に実現したのです。いわば、使徒も会衆もともに一つの聖霊をいただく間柄になったということです。これこそ教会です。聖霊降臨によって教会が誕生したのです。

人間には自分でも抑えがたい罪があります。しかし助け主なる聖霊が来られたので怖れなくてよくなりました。

聖霊に導かれる皆さんに、神の子どもとしての幸いと祝福がとこしえにありますように(ローマ8:12)。 

(井上靖紹長老)