あらゆる人に、あらゆる方法で

「あらゆる人に、あらゆる方法で」 2021/12/5 待降節第2主日礼拝メッセージ

ルカの福音書3章1~6節

アドベントの2週目となりました。この時期によく読まれる聖書は「バプテスマのヨハネ」の箇所です。バプテスマのヨハネは救い主を迎える準備について人々に説きました。だからアドベントにふさわしいのです。

ヨハネが神の言葉によって教えを説き始めた時の皇帝や総督、国主、大祭司の名前を、ルカは詳しく記しました。さすが医者です。そのおかげで、それが西暦28年か29年だったことがわかります。その時「神のことばが、荒野でザカリヤの子ヨハネに下った」(ルカ3:2)。このように「神のことばが下る」というのは、決して迷信とか思い込みではなく、歴史の中で実際に起こることなのです。だからわたしたちも毎日聖書を読み、神のことばを聞いて参りましょう。

バプテスマのヨハネの働きを、イザヤは次のように預言しました。「荒野に呼ばわる者の声がする。『主の道を整えよ。荒地で、私たちの神のために、大路を平らにせよ。』」そしてルカだけはその続きの「すべての谷は埋め立てられ、すべての山や丘は低くなる。盛り上がった地は平地に、険しい地は平野となる。このようにして、主の栄光が現されると、すべての者が共にこれを見る(5、6節)。」というところまで引用しました。福音書記者の中で、ルカだけがユダヤ人ではなくギリシャ人(異邦人)でした。それで「すべての者」という言葉が心に響いたのでしょう。どこの国の人であっても、心の「丘」を平らにし、へりくだって悔い改めるならば、神の救いを見るようになるのです。この預言通り悔い改めを説き、救い主イエス様を指し示した、これがヨハネの最大の功績です。わたしたちも自分に対する誇りを捨てて、十字架のイエス様を仰ぎ見る時、あらためて「神の救い」を見ることでしょう。

バプテスマのヨハネや新約聖書のパウロは、このイエス様の福音を言葉で宣べ伝えました。しかし福音は言葉だけでなく様々な方法で広がっていきます。ピリピ教会のクリスチャンのように、義援金や救援物資、また宿泊場所を提供すること・・・これも福音宣教です。特にエパフロデトは命がけでパウロの生活を助け、パウロから「私の兄弟、同労者、戦友」と呼ばれました。わたしたちもあらゆる人に、あらゆる方法で、イエス様の救いを知らせて参りましょう。

(永田 令 牧師)