この世を神の国に

「この世を神の国に」 2019/6/2

使徒1:1~11
ルカ24:44~53

社会全体が闇に覆われているような事件が多いです。この社会から闇を取り去るために、わたしたちキリスト教会が何をなすべきかを真剣に考え、祈り、行動していく必要があると思います。
今日は昇天主日です。ルカは福音書の最後と使徒の働きの最初に、イエス様の昇天の出来事を書きました。昇天によって、イエス様はご自身の働きを教会に託されました。それは「地上に神の国を広める働き」です。イエス様はご生涯の最初から最後まで、「神の国」ついて語っておられました。弟子たちは、神の国を「イスラエルの復興」と考えましたが、そんな小さなものではありません。すべての人が相手の幸せを願い、相手のために自らをささげていく世界、それが本当の神の国です。
しかしそのような世界を人間の力で作り出すことは出来ません。イエス様が必要です。わたしたちは自分のことしか考えられない罪深い者です。だからイエス様が身代わりとなって十字架で死んでくださり、よみがえられ、天に昇られました。その際、わたしたちに素晴らしい約束を残してくださいました。聖霊をくださるという約束です。来週は聖霊降臨祭です。聖霊様は、弱く罪深いわたしたちが、それでもこの世を神の国とすることが出来るように、わたしたちに力(デュナミス)を与えてくださいます。
「聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります」(使徒1:8)。イエス様の御名を世界中に伝える、それ以外に、この世を神の国とする方法はありません。世界中のクリスチャンがもう一度本気で自分の罪を嘆き、心から悔い改め、あらためてイエス様の十字架と復活に感謝する必要があります。そして聖餐にあずかる必要があります。それによってわたしたちは「力」をいただき、地上の世界へと遣わされていくのです。「この世を神の国にする働きのために私を用いてください」と真剣に祈りましょう。主は必ず応えてくださいます。なぜならこの世を神の国にすることこそ、最初から最後までイエス様のみこころなのですから。

(永田 令牧師)