昼間の生き方

「昼間の生き方」 2022/11/27 待降節第一主日礼拝メッセージ

マタイの福音書24章36~44節

今日からアドベント。教会暦では新年に入りました。アドベント(“来臨”の意)は、キリストの誕生(ファーストアドベント)だけでなく、キリストの再臨(セカンドアドベント)を待つ期間でもあります。

教会暦では1年の最初と最後に再臨の箇所を読みます。「その日、その時がいつであるかは、だれも知りません」(マタイ24:36)。だから「いつキリストが来られても良いように、一年中、昼間らしい生き方をしましょう」ということです。「遊興、酩酊、淫乱、好色、争い、ねたみの生活ではなく、昼間らしい、正しい生き方をしようではありませんか」(ローマ13:13)。

「昼間らしい生き方」とは、毎日聖書を読み、御言葉に従う生活です。創世記に出てくるノアは、神様の御言葉に従って箱舟を造ったおかげで洪水から救われました。周囲の人々はノアの警告(神様の御言葉)に耳を傾けず、“その日、その時”が来るまで遊興、酩酊、淫乱、好色、争い、ねたみの生活に浸っていました。その結果、洪水によって滅ぼされてしまいました。

わたしたちも、聖書の御言葉より自分の経験や自分の感覚や自分の生活を優先してしまう者です。ノアの時代の人々とあまり変わりません。しかし、そんなわたしたちを救うために、神の子のイエス様が人としてお生まれくださいました。これがファーストアドベントです。そして罪深いわたしたちの代わりに十字架で罰を受けて死んでくださり、よみがえられました。この福音の御言葉を受け入れ、イエス様を救い主と信じて洗礼を受ける人は、ノアのように滅びから救われます。ノアの箱舟は「教会」を象徴しており、洪水は「洗礼」を象徴しています。「主イエス・キリストを着なさい。肉の欲のために心を用いてはいけません」(ローマ13:14)。自分の意思や、自分のがんばりによってではなく、洗礼によってイエスキリストを「着る」者だけが、夜の闇に打ち勝ち、昼間の生き方が出来るようになります。そしてその人の生きる姿が、周囲の人々に、昼間の生き方がどんなに素晴らしく、平和に満ちたものであるかを知らせ、多くの人々が神様のもとへ帰ってくるのです。

(永田 令 牧師)