「新しい出発」 2020/12/27 主日礼拝メッセージ

ルカ2：22-40

イエス様の誕生から40日たった時の話です。ヨセフとマリヤが幼子イエス様を連れてエルサレム神殿にやってきました。ユダヤ人の長男としてお生まれになったイエス様を、律法通り神様におささげし、出産した母親の清めのためのいけにえをささげるためでした。「イエス様は神の子なんだから、律法の規定に縛られる必要はないんじゃないか？」と思うかもしれませんが、そうではありません。律法の下にあるわたしたち人間を律法の束縛から解き放つために、イエス様ご自身が律法の下に生まれる必要があったのです。そして生涯律法を守り抜き、挙句の果てに、律法に背いているわたしたち人間の身代わりとして十字架で死んでくださいました。それによってわたしたちは、律法の奴隷ではなく、神様の自由な子どもとして生きることが出来るようになったのです。

今日の箇所に、シメオンとアンナという2人の高齢者が登場します。どちらも敬虔な人で、律法を重んじ、キリストを待ち望んでいました。しかし2人とも、まだイエス様がもたらす自由のスケールの大きさを知りませんでした。この2人が今日、イエス様を腕に抱いた時、シメオンは「今こそあなたはわたしを去らせ（解放し）てくださいます（29節）」と歌い、キリストの解放がイスラエルだけでなく全世界に及ぶものであることを確信しました。アンナもイエス様と出会ったあと、今まで一歩も外に出ようとしなかった神殿から飛び出し、人々にキリストの到来を告げ知らせました。このようにわたしたちも、イエス様の十字架と復活によって律法の束縛から解放され、自由な者となります。

「律法の束縛から自由になる」というのは「もう律法を守らなくていい」という意味ではありません。「たとえ律法を守れなくても、もう罰を受けなくて良くなった。だからこそ安心して、自発的に神の御心を行いなさい」ということです。わたしたちもあらためて聖書を読んで、新しくイエス様と出会いましょう。イエス様によって自由に羽ばたきましょう。2021年がそのような年となりますように。

（永田 令 牧師）