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悔い改めの実

「悔い改めの実」 2021/12/12 待降節第3主日礼拝メッセージ

ルカの福音書3章7~18節

アドベント第3主日となりました。街は赤や緑や金などのクリスマスカラーに染まっています。しかし教会暦では「紫」です。紫というのは「悔い改め」や「償い」を意味する色です。つまりアドベントは悔い改めの季節です。だからこの季節は、人々に悔い改めを説いたバプテスマのヨハネの箇所をよく読みます。当時のユダヤの国民は、「自分たちはアブラハムの子孫だ。神に選ばれた民だ」と言って自慢していました。しかしヨハネは言いました。「それなら神に選ばれた者にふさわしい生活をしなさい。悔い改めにふさわしい実を結びなさい」。

では「悔い改めにふさわしい実」とは何でしょうか?ヨハネは群衆に「下着や食べ物を貧しい人に分けなさい」。取税人には「決められたもの以上には取り立ててはいけません」。兵士たちには「力ずくで金をゆすったり、無実の者を責めたりせず、自分の給料で満足しなさい。」と教えました。じつに具体的な勧めですが、これらは「あたりまえ」のことであり、その気になれば出来ることです。しかし「悔い改め」とは心が180度変換することであり、今まで自分の方を向いていた心が神様に向くことです。その時、わたしたちは自分の心がいかに汚れているかを知り、そんなわたしを救うためにイエス様がお生まれになり、身代わりに十字架で死んでよみがえられた。この方こそ救い主キリストである、ということを知るのです。バプテスマのヨハネは人々に悔い改めを迫り、「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」(ヨハネ1:29)と言ってイエス様を紹介しました。イエス様を救い主として受け入れて洗礼を受けた人は、「聖霊によるバプテスマ」を受けます。その人は、聖霊様の力によって、今まで自分では出来なかったことが出来るようになります。バプテスマのヨハネが勧めたことよりもはるかに高いレベルの愛のわざを、しかもわりと自然体で出来るようになるのです。真の悔い改めとは「自分には思いやりが足りなかった」といったレベルではなく、イエス様に頼らずに全部自分のがんばりに頼っていたと認めることです。わたしたちもこのアドベントに、もう一度心から悔い改め、十字架のイエス様に立ち帰りましょう。そうすれば驚くべき愛のわざが自然体で出来るようになります。これこそ「悔い改めの実」なのです。

(永田 令牧師)