「心の国境を越えて」 2020/5/31

使徒2：1-21

新型コロナウイルス禍で、県境や国境を越えてくる人への誹謗中傷がありました。こうした「心の壁」を越えるためのヒントが、今日の聖書にあります。

きょうは「聖霊降臨祭」。クリスマス、イースターに次ぐ、キリスト教会の3大祭りの一つです。イエス様がおっしゃった「もうひとりの助け主」である聖霊様が、初めて地上の弟子たちの上にくだられた日です。

この日はちょうど「五旬節」というお祭りの日でしたが、弟子たちは一つの部屋に集まっていました。彼らは聖霊様を待っていたのです。わたしたちの人生においても、「行動する」ことだけでなく「待つ」ことも重要です。特に、外出を制限されている今こそ、神様に信頼して、神様の時を待ちましょう。そうすれば、必ず神様が最善の道を示してくださいます。

こうして聖霊様を待っていると、「突然」その時がやってきました。

まず、天から激しい風が吹いて来るような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡りました。聖霊様の到来です。さらに「炎のような分かれた舌」が現れて、弟子たちの上にとどまりました。この「舌」は「言葉」とも訳せます。そのとたん、まさに弟子たちは、様々な国の言葉で「神様の大きなみわざ」を語りはじめました。「イエス様はすべての人の罪を背負って十字架で死んでよみがえられた。イエス様の名を呼ぶ者は誰でも救われる。」・・この福音が自分たちの母国語で語られるのを聞いて、そこにいた外国人たちはイエス様を信じ、3000人の人が洗礼を受けました。自分たちの側まで来てくれた神様の愛を、リアルに感じたからです。 聖霊様はわたしたちに、言葉の国境だけではなく、心の国境も越えさせてくださいます。わたしたち人間の本質には心の壁がありますが、悔い改めて十字架のイエス様を仰ぎ見る時、聖霊様がわたしたちを清めてくださいます。わたしたちも、心の国境を越えて、人を愛し、ゆるせるようになることを信じつつ待ち望みましょう。そうすれば、必ず神様が大きなみわざを見せてくださいます。

（永田　令牧師）