ゲストとキャストの心得

「ゲストとキャストの心得」 2019/9/1

エレミヤ9:22~23
ルカ14:7~14

ディズニーランドではお客様のことを「ゲスト」、従業員のことを「キャスト」と呼びます。ゲストが夢の世界をとことん楽しめるようにキャストは配慮し、とことん楽しんでくれたらキャストもうれしい気持ちになります。
今日の福音書には、招かれる客(ゲスト)と招く人(キャスト)、両方への心得が書かれています。まずゲストの心得は、「自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされる」(ルカ14:11)とある通り、「上座に座らず、末席に座れ」ということです。これは社会で成功する秘訣です。
しかし、ここでイエス様はただの一般常識を教えておられるのではありません。「自分は天国にふさわしい人間だ」と思っている人は天国から追い出され、自分が天国から遠く離れた罪人であると心から認める人は天国の席に着くということです。「こんな罪深いわたしの代わりにイエス様が十字架で罰を受けてくださった」と信じる人は、本来イエス様の席だった天国の席を譲り受けます。そのことをとことん喜び、楽しみましょう。
今日の教えの後半は「キャストの心得」です。「祝宴を催す場合には、貧しい者、からだの不自由な者、足のなえた者、盲人たちを招きなさい。その人たちはお返しができないので、あなたは幸いです」(ルカ14:13-14)。つまり、「お返しを求めずに良いことをしなさい」ということです。それはわたしたちもイエス様から無償で天国の席をいただいたからです。そしてこのようにお返しを求めずに良いことをするハードルを下げる方法は、「相手と友達になる」ことです。自分を高い所に置いて「あなたを助けてあげましょう」という姿勢ではなく、相手が何らかのハンデを持っていたとしても、一緒に食べたり飲んだりしゃべったりしているうちに「段差」がなくなり、友達になります。友達なら、相手からのお返しを求める必要もありません。
ディズニーランドのキャストは、ゲストに「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは!」と言います。「相手を助ける人」の位置に自分を置かず、ただ友達になる。その時、相手にも自分にも大きな喜びが生まれるのです。

(永田 令牧師)