本物のプロ

「本物のプロ」 2018/1/21

エレミヤ16:14~21
マルコ1:14~20

今日の福音書はイエス様がシモンペテロやヨハネなど、4人の人を弟子にする場面です。彼らはプロの漁師でした。自分の仕事に誇りを持ち、毎日忠実に漁師の仕事をしていました。今日の箇所でも、シモンとアンデレは「湖で網を打って」いましたし、ヤコブとヨハネは「舟の中で網を繕って」いました。このように地道に自分の仕事をしていたのをイエス様は「ご覧に」なり、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしてあげよう。」と言われました。イエス様が「漁師」という言葉を使ったのは、彼らの仕事と、その仕事に取り組む姿勢を尊重されたからです。
ルターの宗教改革までは、「教会の教職者は価値の高い仕事」「一般の職業は価値の低い仕事」と思われていました。しかしルターは、「すべての職業が神様からの使命を果たしているのであり、尊い仕事である」と説きました。わたしたちが日々の仕事に忠実に取り組む姿をイエス様はご覧になり、さらに偉大な務めを任せてくださいます。
「人間を取る漁師」というのは、福音によって「人を生かす」働きです。「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい」(マルコ1:15)。
旧約時代は、人間の方が神の国に届こうとしていました。しかし今や、神の国の方から人間に近づいてくださいました。すなわちイエス様が来られ、わたしたちの罪の身代わりに十字架で死んで、よみがえられました。それによってわたしたちは救われました。これが「福音」です。この福音を、まだ知らない人に伝えることが「人を生かす」働きです。しかし、それは牧師や伝道師だけの働きではありません。クリスチャン一人一人が、それぞれの持ち場で自分の本分を忠実に果たしつつ、イエス様の救いを喜び、賛美し、たとえ失敗したり落ち込んだりしてもイエス様を仰ぎ見て再び立ち上がる・・。その姿は、周りの人々に強烈なインパクトを与えます。そしてそれによって新たにイエス様と出会う人が起こされます。これこそ本物の「人間を取る漁師」であり、本物の伝道のプロなのです。 (永田 令 牧師)