骨折り損の兄弟もうけ

「骨折り損の兄弟もうけ」 2023/1/15 顕現後第二主日礼拝メッセージ

ヨハネの福音書1章29~42節

イエス様がバプテスマのヨハネから洗礼をお受けになった時、聖霊が鳩のようにイエス様の上にくだりました。それを見たヨハネは、イエス様が間違いなく神の子、救い主であることを確信し、ひたすらイエス様のことを人々に紹介します。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」(39)と。「小羊」というのは「人間の罪を取り除くためのいけにえ」という意味です。それを聞いてヨハネの2人の弟子がイエス様について行きました。いわば彼らはヨハネからイエス様へと「師匠」を乗り換えたわけですが、ヨハネは喜んで言いました。「あの方は盛んになり私は衰えなければなりません」(ヨハネ3:30)。このように、人々を自分の所ではなくイエス様の所に導くのが伝道です。

この2人は「罪が取り除かれる方法」をイエス様から聞きたかったのだと思いますが、まずイエス様に「どこにお泊まりですか」(38)と尋ねました。つまり「あなたとゆっくりお交わりしたい。」ということです。しかしこれは正解でした。なぜなら人を罪から救うのは、イエス様=救い主という「情報」ではなく、イエス様との個人的な交わりに入ることだからです。イエス様も「来なさい。そうすればわかります」(39)とお答えになりました。つまり「わたしと交わるならば、わたしが救い主であることがわかる」という意味です。そしてその夜、2人はイエス様のところに泊まり(とどまり)、イエス様が確かに救い主(メシヤ)であることがわかったのでした。

この2人のうちの1人のアンデレは、さっそく兄のシモンに「私たちはメシヤ(キリスト)に会った」(41)と伝え、シモンもイエス様の弟子となりました。シモンは後のペテロです。まずバプテスマのヨハネがアンデレにイエス様のことを伝え、アンデレがペテロに伝え、ペテロたちが世界中の多くの人々にイエス様を伝えました。このバトンは今も続いています。今はわたしたちがイエス様のことを伝える番です。「私には無理」と思う必要はありません。欠けだらけのシモンがペテロ(岩)として用いられたように、イエス様ご自身がわたしたちを用いてくださいます。たとえ良い結果が得られず「骨折り損だった」と思うような時でも、それは決して無駄ではありません。わたしたちの骨折りによって、主は必ず新たに兄弟、姉妹を生み出してくださるのです。

(永田令牧師)