水は大切!

「水は大切!」 2022/1/16 顕現後第2主日礼拝メッセージ

ヨハネの福音書2章1~11節

震災などで水道が止まった時、わたしたちは「水」の大切さを痛感します。しかし今日の聖書の場面は「水じゃダメ!」というケースです。イエス様の母マリヤの親戚の結婚式が行われ、イエス様と弟子たちも出席していました。ユダヤの結婚式は披露宴が1~2週間も続きます。ところが途中でぶどう酒がなくなってしまいます。これはこのカップルの今後の社会生活にまで影響しかねない、深刻な事態でした。十分計算したはずなのに何故か足りなくなってしまった。このような「想定外」の出来事が、人生には必ず起こります。今のコロナ禍もそうです。そんな時は、きょうのマリヤがしたように「ぶどう酒がありません」と、現状をそのままイエス様に申し上げることです。イエス様は、一見聞いてくださっていないように思えても実は聞いておられ、時が来れば最善の解決を与えてくださいます。今日の箇所で「水」を最高級の「ぶどう酒」に変えられたように。

しかし今日の箇所は、ただ「水がぶどう酒に変わった」というだけのお話しではありません。「自力では天国に行けないわたしたちを天国に入れるために、イエス様が十字架で血を流された」ということを教えているのです。聖書で「結婚式」というのは天国の象徴です。それは「死後」だけの話ではなく、罪がゆるされて神様と共に地上を生きていく、その人生が既に天国です。それは人間の善行では実現しません。きょうの水は「きよめの習慣」に使う水でしたが、その水じゃダメでした。ただイエス様が十字架で流してくださった血だけがわたしたちを救い、喜びの人生を与えてくれます。聖餐式で飲むぶどう酒と同じく、きょうの箇所のぶどう酒は、イエス様が十字架で流された血をあらわしています。イエス様の血が、わたしたちに披露宴のような喜びをもたらしてくれたのです。

きょうの箇所では「水じゃだめ!」ということでしたが、洗礼は「水でなきゃダメ」です。洗礼の水によって人は新しく生まれ変わり、イエス様の働きに参加することが出来るようになります。イエス様を信じて神と人のために何かを行う時、一見無意味に思えることでもやがて素晴らしい結果を生みます。最初は役に立たなかった「水」が、ぶどう酒として大いに役に立ったように。やっぱり「水は大切!」なのです。

(永田 令 牧師)