ほんとうのSDGs

「ほんとうのSDGs」 2022/1/2 主の顕現主日礼拝メッセージ

マタイの福音書2章1~12節

明けましておめでとうございます。今日は東方の博士たちが幼いイエス様を礼拝したことを記念する「顕現主日」です。“東方”がどこなのか聖書に書いてありませんが、バビロン(現在のイラク)かアラビア半島あたりではないかと言われています。いずれもエルサレムから1000~1600キロほど離れています。そんな距離を、飛行機もない時代に時間もお金もかけて、下手をすれば命の危険さえあったのに博士たちは旅をしました。なぜでしょうか?別訳によると彼らは「占星術の学者」でしたので、普段から天体の美しさ、規則正しさに感動していたことと思います。その大宇宙を造られた神様に対する感謝と畏怖が、彼らを突き動かしたのではないでしょうか?今SDGsが叫ばれています。とても大切なことですが、本当のSDGsを実現するには、ただ地球環境を守るためという理由ではなく、その地球を造られた神様にまで目を向ける必要があります。神様が造られたこの世界を本来の良い状態に戻す・・そういう強い意思を持ってSDGsに取り組みましょう。

しかし、博士たちがここまでしてイエス様を拝みに行ったのは、ただ単に創造主に対する畏怖の念だけではなく、「自分には救いが必要だ」という自覚があったからではないでしょうか?自分自身も、自分の国も、神様に様々な罪を犯してきた。それで救いを求めてキリスト(救い主)に会いに来たのです。それにひきかえ、ヘロデ王も、エルサレムの住民も、祭司長や学者たちも、ベツレヘムの目と鼻の先に住んでおりながら、だれも博士と一緒に救い主を拝もうとはしませんでした。「自分たちは選ばれた民であり、もう救われている」という思いがあったからです。わたしたちも「聖書を知っている」「神様を知っている」と言って傲慢になるのではなく、罪深いわたしのために十字架で死んでよみがえられた救い主の前にひれふし、感動と賛美をもって礼拝しましょう。バッハが楽譜の最後に「SDG」(Soli Deo Gloriaただ神にのみ栄光あれ)と書いたように、わたしたちも主の十字架に感謝して自分の務めを果たし、神様の栄光を表しましょう。その時、たとえ小さな働きでも星のように輝きます。そしてその光が誰かをイエス様のもとへ導きます。これこそほんとうのSDGsなのです。

(永田 令 牧師)