神”には”できるのです。

「神”には”できるのです。」 2021/10/10 聖霊降臨後第20主日礼拝メッセージ

マルコ10:17-31

イエス様のもとに来たひとりの人は、「永遠のいのちを自分のものとするためには、何をしたらよいでしょうか」と聞きました。イエス様の答えは、「全てを貧しい人に与えて、わたしについてきなさい」というものでした。そして、その答えを聞いたこの人は悲しみ立ち去りました。

 「お金持ちが神の国に入るよりは、ラクダが針の穴を通るほうがもっとやさしい。(マルコ10:25)」という言葉に弟子たちも驚きました。その理由は、金持ちほど多くのものを与えることが出来るので、金持ちほど神の国に近いと考えられていたからです。なので、お金持ちが悪いということでなく、お金持ちですら神の国に入れることが難しいという意味です。ここでは、お金や物質が悪であるということは教えていません。

 「どんなことでも、神にはできるのです。(10:27)」の言葉こそが私たちに与えられた福音です。私たちの行いでは、永遠のいのちを手に入れ、神の国に入ることはできないですが、神様には永遠のいのちを与えることができます。それは、イエス・キリストの十字架の死と復活によって実現されました。私たちの救いには、一点の「行い」も影響されず、神様からの恵み(無代価、無条件)によってのみ成り立っています。

 私たちは、救われるために良い行いはする必要は全くありません。救われた喜びで良い行いをしていきます。私たちに与えられているお金、家庭、才能、立場、役割などは、神様から任されているものです。これらを神様に認められるために用いるのではなく、隣人に愛して仕えていくために用いていきたいと願います。

 私たちにはとうてい考えられない、理解できない神の平安が、私たちの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守られますように。

(高平真生 伝道師)