天からの力

「天からの力」 2021/5/16 主の昇天主日礼拝メッセージ

ルカ24:44-53

きょうは昇天主日。イエス様が復活されてから40日後に天に昇られたことを記念する日曜日です。「天」というのは物理的な「空」のことではなく、神の世界、天の国のことです。そこは罪深い人間の手が届かない、聖なる世界です。人間は天の国に入るどころか、天の神様に「父よ」と話しかけることすら本来ゆるされません。それくらいわたしたち人間は神様から遠く離れた存在です。

しかし、神の御子イエス様が神様の姿を捨てて、天から地上に降りて来てくださり、十字架で死んでくださいました。このイエス様の死を、自分の罪の身代わりであったと信じて洗礼を受ける人は、地上の命が死んで、天の命によみがえります。「人は、新しく(=天から)生まれなければ、神の国を見ることはできません」(ヨハネ3:3)。

いつかイエス様は再び天から来られます。しかしそれまで地上にいないわけではなく、「聖霊様」というあり方で今もわたしたちと共にいてくださいます。「聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります」(使徒1:8)。聖霊様は信仰者をイエス様の証人とし、地の果てにまで遣わしてくださいます。その働きの出発点は「エルサレム」と書かれています。それはどういう意味でしょうか?まず第一に、エルサレムはイエス様が十字架で死なれ、復活された町です。わたしたちはいつも聖書の御言葉によって、イエス様の十字架と復活に立ち返る必要があります。こうして罪のゆるしをいつも確認し、主に感謝しましょう。

第二に、エルサレムは弟子たちにとってつまずきと失敗と恥の町であり、出来れば思い出したくない場所です。でもその弱さの中にこそ、イエス様の力が働きます。「わたしの力は、弱さのうちに完全に現れる」(Ⅱコリント12:9)。天から与えられる力、それは自信たっぷりに伝道できる力ではなく、自分の弱さを認め、イエス様の力と愛に感謝する心です。この力によってわたしたちは、「エルサレム」から始まってユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、イエス様の証人となっていくのです。

(永田 令 牧師)