上からのワクチン

「上からのワクチン」 2021/3/14 主日礼拝メッセージ

ヨハネ3:14-21

ワクチンは新型コロナウイルスなど体の病気に効きますが、「罪の病」には効きません。罪の病に対する治療法を教えてくれるのは「聖書」です。

ある夜、ニコデモというパリサイ人がイエス様を訪ねてきました。彼は他のパリサイ人と違って、イエス様を神のもとから来た教師だと認め、「神の国(天国)に入るにはどうしたらいいのか」を聞きに来たのです。イエス様は「新しく生まれなければ、神の国を見ることはできません。」(ヨハネ3:3)とお答えになりました。「新しく」というギリシャ語には「上から」という意味もあります。「“上から”生まれる」とはいったいどういう意味でしょうか?

「下から」、すなわち地上の知恵や理解、あるいは人々の間で称賛される「よい行い」や「素晴らしい人格」によっては、誰も天国に入ることは出来ません。「上から」、つまり神様ご自身によって人は新しく生まれることが出来るのです。

「モーセが荒野で蛇を上げたように、人の子もまた上げられなければなりません」(ヨハネ3:14)とイエス様は言われました。かつてモーセ率いるイスラエルの民がエジプトを脱出して荒野の旅をしていた時、民の不信仰を怒った神様が、猛毒の蛇を民に送りました。そしてモーセに「蛇の像を作って旗ざおにつけ、高く掲げよ」と命じ、その蛇を見上げた人は助かりました。わたしたちも何度も神様に助けていただきながら、何度も神様に逆らう者です。しかしそんなわたしたちのためにイエス様が「上から」来られ、十字架につけられて死なれました。この十字架のイエス様を「旗ざおの蛇」のように見上げ、「あれはわたしの罪のためだった」と信じるならば、その人は「罪の病」から救われ、「永遠のいのち」を得ます。これは理屈ではありません。子どものように素直に信じる時、そうなるのです。「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」(ヨハネ3:16)。このいのちを持つ者は、神様と人々に対する燃えるような愛が「上から」、つまり神様から与えられます。そしてその愛で、神様と人々に対してよい行いをすることができるのです。

(永田 令 牧師)