「ことばは人となった」 2020/10/18　主日礼拝メッセージ

マタイ22：15-22

ユダヤ人の中でも特にプライドが高いパリサイ人は、イエス様がたとえ話によって自分たちを非難していることに腹を立て、ある策を考えました。自分たちはローマ政府への納税に反対派ですが、賛成派のヘロデ党と手を組んでイエス様に質問します。「税金をカイザル（ローマ皇帝）に納めることは、律法にかなっていることでしょうか。かなっていないことでしょうか」（マタイ22：17）。もしイエス様が「税金をおさめよ」と答えたら、「神よりも皇帝を崇拝した」と言ってパリサイ人が責め、「税金をおさめなくて良い」と答えたら、「ローマ政府に逆らう者」と言ってヘロデ党が責める‥という算段でした。

しかしイエス様は、カイザルの肖像が描かれた貨幣を示しながら「カイザルのものはカイザルに、神のものは神に返しなさい。」と答えました（22：21）。皇帝も神がお立てになった権威であり、皇帝に税金を納めることが、すなわち「神のものを神に返す」ことにもなるという意味です。

神様の教えは、地上の法のレベルより高いところにあります。「殺してはならない」（十戒の第5戒）は、地上の法では「殺さなければOK」ですが、聖書では「殺さないことはもちろん、傷ついた人を助けること」も含みます。この高いレベルの戒めを、わたしたち人間は完全に守ることが出来ません。だからこそ神の御子イエス様が人として地上においでくださり、わたしたちの罪の身代わりに十字架で死んでくださり、よみがえってくださったのです。

「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた」（ヨハネ1：14）。今年もあと2ヵ月でクリスマスがやって来ます。人間を罪から救う神様の「ことば」であるイエス様が、罪にまみれた人間の大地においでくださいました。イエス様を信じる者は、たとえ罪びとであっても日々ゆるされ、清められ、神の目に正しく歩む者へと変えられていきます。そして神様はその人を、ご自身のことを世に証しする「ことば」として、用いてくださるのです。だからこれからも、自分が置かれた場所でなすべき務めを行っていきましょう。神様の愛と正しさを人々に告げ知らせる「ことば」としての役目を果たしていきましょう。

（永田 令 牧師）